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木村建設が倒産したのは、メーンバンクの熊本ファミリー銀行が問題発覚直後に預金口座を突然凍結したことが原因と主張する。「破産に追いやることを認識しながら、自らの債権回収を優先した」。
「熊本ファミ銀に42億請求 木村建設管財人が提訴」共同通信2006年3月1日
「自らの債権回収優先…木村建設管財人、取引銀行を提訴」読売新聞2006年3月2日
「熊本ファミ銀が争う姿勢 木村建設管財人の訴訟」共同通信2006年3月2日
旧破産法上の債権者集会に当たる財産状況報告集会は、既に破産手続きが開始されたヒューザーと同じ9月13日に同地裁で開かれる。債権届け出の期限は6月30日。偽装が発覚したマンション「グランドステージ住吉」(東京都江東区)の住民3人が2月23日、申し立てていた。
「小嶋社長も破産手続き開始 東京地裁が決定」共同通信2006年3月14日
「小嶋社長の破産手続き開始=マンション住民が申し立て−耐震強度偽装・東京地裁」時事通信2006年3月14日
武本光政「<耐震偽造>ヒューザー小嶋元社長も破産 東京地裁が手続き」毎日新聞2006年3月14日
桐野耕一「<耐震偽造>破産管財人、ヒューザー訴訟を引き継ぐ」毎日新聞2006年3月15日
午前5時50分頃、マンション駐車場で、会社員男性が自分の車に乗ろうとしたところ、車のサンルーフが壊れ、車内で女性が血を流しているのを見つけ、管理人を通じて119番した。調べでは、妻はマンション最上階の7階廊下から手すりを乗り越えて飛び降り、車の屋根に落ちたとみられる。現場や自宅に遺書はなかった(「姉歯元建築士の妻が自殺 マンションから飛び降りか」共同通信2006年3月28日)。
同会は2005年12月に結成、記述式アンケートを2006年1月下旬〜2月中旬に実施。国交省や府、京都市、宇治市の建築関係公務員のほか建築設計事務所、建設業勤務者ら172人から回答があった。
「偽造や手抜きの強要などの体験はあるか」との問いには「構造の減額を断ったら設計料が不払いになった」(設計事務所、50代)「わざと荷重を抜くなど設計不備が出てきた」(同、30代)など直接体験を挙げた回答が4件。また建築行政にかかわる公務員からも「工期やコストを追求する業者が多いため下請けが手抜きなどを行うのでは」(40代)「鉄筋の抜き取りは聞いたことがある」(50代)。
一方、再発防止に関しては「相互チェック機能の確立」(設計事務所、20代)と「個人の倫理観」(同、30代)が多い一方、「立場は弱く、建築主の言いなりになることが多い」(同)など、設計士の地位と報酬の向上を求める指摘もあった。
同会は、結果とともに建築の理念を明記した基本法「建築法」制定の検討や確認・検査制度の根本的見直しなどを求める要請書を北側一雄国交相に郵送した(中野彩子「耐震計算偽造:「手抜きの強要ある」4件 「考える会」がアンケート/京都」毎日新聞2006年3月30日)。
姉歯元建築士が関与していないケースでも偽装が発覚するなど事態は深刻化しており、潜在的な偽装物件が掘り起こされるには、なお相当の時間を要するとみられる。今後、公的支援の対象が増える可能性もはらんでおり、問題の終息には程遠い状況だ(「姉歯偽装98件確定 国交省、実態解明なお時間」産経新聞2006年3月31日)。
政治家介入をめぐる解明が期待されたが、2行で触れただけだった。問題の公表時期などについて、「政治家からの働きかけでゆがめられたことをうかがわせるような不自然な点は認められなかった」とだけ記述。具体的な検証内容は明らかにしなかった。
建築確認事務を民間機関に開放するよう建築基準法が改正された1998年当時、「チェックが甘くなるのでは」などと問題が指摘されていたにもかかわらず、現在まで改善策が取られてこなかったが、この行政の「不作為」についても最終報告は具体的には言及していない。
「今回の委員会は、巽和夫京大名誉教授を座長に、ジャーナリストや弁護士らが名前を連ねている。その調査能力に期待した人にとっては、拍子抜けする中身だろう」(「耐震偽装報告/再発防止に生かさないと」神戸新聞2006年4月9日)。
一方、危険性の高い建物の名称などの公表に関し、「不確実性を残したまま発表して招きうる混乱より、発表を控えることで混乱が広がることもある弊害の方がはるかに大きいことを教訓にすべき」と指摘。行政に対し、積極的な情報開示を促す見解を示した。
「「住宅は消耗品」、意識改革を=調査委が最終報告−耐震偽装」時事通信2006年4月6日 「耐震偽装の緊急調査委、最終報告は行政責任に言及せず」読売新聞2006年4月7日
建物は、耐震偽造事件で捜査対象になっている総合経営研究所(総研、東京都千代田区)と、木村建設(熊本県八代市、破産手続き中)系列のコンビで建築。外壁のコンクリートが空洞だらけで鉄筋がむき出しになっており、建築基準法違反の可能性もある(「<グループホーム全焼>建物に構造的な欠陥が浮上 長崎」毎日新聞2006年4月7日)。
合同捜査本部は立件対象を10人程度に絞り込み、検察当局などとの最終調整を急いでいる。2005年12月の一斉捜索以来、約4カ月。警察、検察の動きがにわかに慌しくなってきた。多くの被害住民を出した事件はヤマ場を迎える。
マンション販売「ヒューザー」(東京都大田区、破産)については、小嶋進社長に出頭要請し、来週にも任意で事情聴取。強度不足を認識しながらマンションを販売したとする詐欺と宅地建物取引業法違反容疑の立件に向け、他の幹部からも事情を聴き、早急に詰めの捜査を進める(「耐震偽装、月内に逮捕 姉歯氏と「木村」元幹部ら」共同通信2006年4月14日)。
「「住」の安全、安心へとつなげるには、「姉歯物件」が生み出された時点に返り、背景、原因を徹底的に追う必要がある」(「【耐震強度偽装】姉歯物件なぜ許した」高知新聞2006年4月18日)。
デザイナーは、千葉県船橋市の不動産会社「サン中央ホーム」が開発、施工した船橋市内のマンション三棟の契約を結び、設計の全体を仕切ったが、実際に「建築基準法上の設計者(元請け設計者)」として、船橋市に届けられていたのは姉歯氏であった。
建築士法では一級建築士の資格がなければ、一定の高さや延べ面積以上の建物の設計を禁じている。資格がないデザイナーは姉歯氏に依頼し、名義を借りたという。建築デザイナーは取材に「違法行為とは思っていなかった。姉歯元建築士と組んだ仕事はホテルやマンションなど約90棟」と話す。
調べや関係者によると、デザイナーは姉歯氏と約10年前に知り合い、6年ほど前からサン中央ホームの仕事を請け負うようになった。姉歯氏のデザイナーへの名義貸しは約15件の物件で行われ、姉歯氏は報酬として、設計料の二割を受領。総額は1000万円以上にのぼる。判明している約1000万円のうち3分の2が構造計算に対する謝礼で、残る3分の1に当たる300万円程度が「監修料」名目で支払われていた(「名義貸し見返り3百万 姉歯氏、14棟に関与」共同通信2006年4月19日)。
警視庁などの合同捜査本部は、姉歯元建築士の名義貸しは長年にわたり常態化していたと判断している。千葉県内のマンション建設時の建築確認申請に絡む建築士法違反容疑で、月内に姉歯元建築士を逮捕、建築デザイナーについても同法違反容疑で立件する方針。名義貸しの全容解明に向けて、詰めの捜査を急いでいる。
姉歯秀次元建築士は、名義を貸して継続的に謝礼を受け取っていた千葉県の建築設計業者に対し、建築確認の申請先をイーホームズに変更するよう要求していた。合同捜査本部は、姉歯氏が耐震強度不足の物件の確認申請をパスさせるため、同社を利用したとみて追及する方針。
「6年前から名義貸し 建築デザイナーに姉歯元建築士」共同通信2006年4月17日
「名義貸し、報酬1000万円超か=偽装マンションなど約15件−姉歯元建築士」時事通信2006年4月17日
「<耐震偽造>姉歯元建築士が業者に検査機関の変更求める」毎日新聞2006年4月21日
木村建設には粉飾した決算書類を国土交通省に提出していた疑いが浮上している。国や県に経営事項審査(経審)の申請を行う際、業績を良く見せかけるために、粉飾した決算書類を提出した疑いが持たれている。未完成の工事の売り上げを前倒しで決算に盛り込むなどの手口で数字を操作した。
経審は公共工事を受注しようとする業者に義務付けられ、経営状況や技術力を総合的に判断した評点は、入札参加資格の格付けにも使われる。木村建設は、有利な入札参加資格を得るために、提出書類を粉飾したとみられる。決算書類を粉飾して経営状況を良く見せかけ、工事を受注しやすくする狙いがあったとみられる。建設業法では、公共工事を請け負う業者は経営状況や技術力の審査を受けなければならないとしており、虚偽報告には「50万円以下の罰金」が科せられる。
捜査本部は、2005年12月下旬に耐震データ事件の関係先を一斉に捜索。決算書類の粉飾は、捜索で得た資料から浮かんだ。粉飾は経営陣の意向だった可能性が高く、捜査本部は木村社長や篠塚明・元東京支店長らに対する事情聴取を踏まえて経緯を確認する。捜査幹部は「容疑が堅いものから手掛けていく。詐欺容疑については長期化するだろう」と見通しを語る。
「偽装物件には、木村建設などの施工会社をはじめ、建築主や経営コンサルタント、確認検査機関など多くがかかわっていた。木村建設を突破口に、偽装の全容に迫ることが課題になる」(「社説=耐震偽装聴取 不正の解明を速やかに」信濃毎日新聞2006年4月18日)。
「木村建設社長らに出頭要請 耐震偽装で警視庁など」共同通信2006年4月17日
「<耐震偽造>木村建設社長ら17日にも一斉聴取」毎日新聞2006年4月17日
「<耐震偽造>木村建設、粉飾決算書提出か 社長ら聴取へ」毎日新聞2006年4月16日
同社側は粉飾決算の結果、法人税を納めすぎたとして、税の還付を求める手続きを進めている。還付が実現すれば、債権者への配当に充てるという。関係者によると、木村建設幹部が破産管財人に対して粉飾決算を認めたのは、合同捜査本部が2005年12月に行った家宅捜索後である。
同社の決算報告書によると、2003年6月期の経常利益は約2500万円、税引き後利益は約1100万円。2004年同期はそれぞれ約2億5900万円、約4800万円、2005年同期は約2億6100万円、約6700万円で、大幅な伸びを示していた。しかし同社幹部は、これらの決算は利益を大幅に水増ししたものであったことを明らかにした。
問題が公表される前の2005年10月27日、小嶋社長は関係者を集めてデータ偽造への対応を協議。この後、販売子会社役員からグランドステージ藤沢の引き渡しをどうするかと問われ「問題ない」と引き渡しを指示したとされる。この時点で、小嶋社長は既にグランドステージ藤沢のデータ偽造を知っていた可能性がある(「偽装物件名、自ら言及=対策会議で、翌日代金受領−小嶋社長、詐欺の可能性」時事通信2006年4月15日)。
さらに、捜査本部は、民間確認検査機関「イーホームズ」に対し、公正証書原本不実記載(虚偽登記)容疑で強制捜査に同時着手する検討を始めた。イーホームズの藤田東吾社長も逮捕する方針である。多くのデータ改ざんを見逃した検査機関にも事件が波及する公算が大きくなった。
木村社長らは2005年6月期まで数年にわたって、国土交通省の「経営事項審査」に提出した決算書類の営業利益を、約3億円水増しするなどの粉飾をした疑いが持たれている。
姉歯元建築士は、知人の建築設計業者が不動産会社からマンション設計を受注し、自治体に建築確認を申請した際、この業者に自分の名義を貸した疑い。業者は建築士の資格を持っておらず、姉歯元建築士は14物件で名義を貸し、約1000万円の報酬を受けていたという。
一方、イーホームズは2001年12月に国土交通相から確認検査機関の指定を取得したが、その直前の同年10月、資本金を2300万円から5000万円に増資し法人登記。捜査本部は、この時調達した2700万円は、藤田東吾社長が一時的に知人に借りた「見せ金」であり、大規模建造物の検査資格を得るための架空増資だったとの疑いを強めている。
これまでに姉歯元建築士は、構造計算書のデータを改ざんした理由としてコスト削減を求める木村建設の圧力があったと証言。姉歯元建築士は、「検査が甘い」としてイーホームズに建築確認の申請先を変えるよう元請けの建築設計業者に要求していたことが分かっている。捜査本部は、木村建設の「短工期」「低コスト」を売りにした工事や慢性化した赤字経営と、イーホームズのずさんな検査が、今回の事件の背景にあるとみている。
「<耐震偽造>今週半ば一斉逮捕 木村社長、姉歯氏ら約8人」毎日新聞2006年4月23日
「耐震偽装、捜査大詰め 姉歯氏、木村社長逮捕へ」共同通信2006年4月22日
「耐震偽装 イーホームズ社長ら きょうにも逮捕状」産経新聞2006年4月24日
国交省が国指定機関50機関が建築確認をしたマンションなど約500件を無作為に抽出。このうち計算上の強度が基準ぎりぎりの100-110%の物件103件について、耐震強度を国交省の所管団体「日本建築防災協会」で再検証した。この結果、12機関の12件の強度が、暫定的な数値で60-90%台しかないことが判明した(「強度不足の疑い、再計算で12件…国交省が抽出調査」読売新聞2006年4月24日)。
捜査本部は今後、8人を含む関係者による「偽装の構図」の全容解明を急ぎ、強度不足を知りながらマンションやホテルを顧客に引き渡したとされる詐欺容疑の立件に全力を挙げる。
調べによると、姉歯容疑者の知人の建築デザイナー秋葉三喜雄容疑者は2004年3-10月にかけ、建築士の資格がないのに千葉県船橋市内のマンション2件を設計するなどした建築士法違反の疑い。姉歯容疑者は秋葉容疑者に、この2件の設計で建築士の名義を貸した同法違反ほう助の疑い。
木村容疑者と、同社元東京支店長篠塚明、元専務森下三男、元常務橋本正博の各容疑者は、赤字だった2004年6月期決算を黒字に粉飾し、虚偽の決算書類を同年9月に国土交通省九州地方整備局に提出するなどしたとして、建設業法違反の疑いで、熊本県内などで逮捕された。
「名義貸しや虚偽報告に、建築デザイナーも木村容疑者も「業界では普通に行われていること」と言っている。こうしたことが業界の“常識”なら、やはり徹底して追及すべき問題だ」(「「業界では普通」の構造を洗い出せ」読売新聞2006年4月27日)。
「当局が困難な捜査を乗り越え、素朴な被害者感情である「だまされた」にこたえられるか、推移を見守りたい」(宗像紀夫「「偽装を認識」解明できるか」読売新聞2006年4月27日)。
「この捜査で、背景にある業界の実態、建築行政の有名無実が浮かび上がることを望み、悪を逃さぬ突破口にと期待する」(「よみうり寸評」読売新聞夕刊2006年4月27日)。
「能力を超えた仕事の受注に向かい、チェックの甘さを招いたことが、偽装物件の増殖を許す結果になった―。捜査当局が描く事件の構造である。どこまで核心に迫れるだろうか」(「耐震偽装で逮捕 誰の責任か解明を急げ」中国新聞2006年4月27日)。
「偽装やそれが疑われるケースは、北海道から九州まで広がり、建築に対する国民の不信を募らせている」(鶴岡憲一「実質伴った制度再構築を」読売新聞2006年4月27日)。
「法律のすき間で、実は平穏な日常が脅かされているかもしれない現実に、多くの国民が早期の解明と責任の明確化を求めるのは当然のことだ」(「規制緩和の「影」に迫れ」岩手日報2006年4月27日)。
藤田東吾社長が姉歯秀次元建築士らと同時に逮捕されたことにより、イーホームズも耐震強度偽装一味のメンバーであるとの印象を強めた。そのように世間が感じたとしても無理はない。姉歯元建築士の逮捕まで半年以上もかかったのに対し、藤田社長は疑惑発覚から逮捕まで早かった。藤田社長はなかなかの二枚目で弁も立つので、もしかしたらやってないのでないかと思ってしまいそうになる。うっかり同情してしまいそうになる。
「イーホームズの藤田容疑者について捜査当局には当初、立件を困難視する考えもあった。建築基準法には、強度不足の見逃しを想定した罰則が見当たらないためだ。同法のような経済関係法は、実務を円滑にするルールを定めるという側面が強いのだろうが、これは法の不備といわざるを得ない」(「【耐震偽装事件】詐欺立件に向けて威信かけた捜査を」南日本新聞2006年4月27日)。
グランドステージ池上管理組合理事の男性は「今回の逮捕を入り口に事件の全ぼうを明らかにし、国には二度と同じようなことが起きないように制度をきっちりと整えてほしい」と期待を込めた。その一方で「でも逮捕されてもマンションの建て替えや支援には何の影響もない」とため息。「私たちは再建に向けひたすら努力するしかないんです」とやるせない胸中を語った。グランドステージ池上は姉歯容疑者が国会の証人喚問で「最初の偽造」と証言した東京都大田区のマンションである。
グランドステージ住吉の購入者の男性会社員(38)は「粉飾決算や名義貸しなど、耐震データ偽造事件ではない容疑で逮捕したのは残念。事件の核心まで追及されなければ、今後同じようなことをやっても、誰も追及できないことになってしまう」と警戒感を示す。「偽造事件に入らず捜査を幕引きにすることは許されない」と、力を込めた。グランドステージ住吉はイーホームズが建築確認し、木村建設が施工した江東区の物件である(67戸)。
これまで姉歯容疑者らが出席した国会の証人喚問や、参考人質疑の傍聴をしてきた墨田区にあるグランドステージ東向島(36戸)の田中拓・対策委員会代表は「国会では、逮捕された誰もが真実を語ったようには見えなかった」と振り返り、強調した。「今回も、国家のメンツを保つ逮捕に終わってはならない。真相を引き出さなければならない。私たちはそれを見ています」(桐野耕一「<耐震偽造>被害住民ら「厳正な捜査で真実暴いて」」毎日新聞2006年4月26日)。
「姉歯元建築士・木村元社長・藤田社長ら8人を逮捕」読売新聞2006年4月26日 「司法書士が架空増資関与 ともに共謀で逮捕へ」共同通信2006年4月26日
瀬戸英雄弁護士は冒頭、「ヒューザーの資産価値を極大化して、賠償義務を果たすことが、公的支援による国民の負担を軽減することになる」と述べ、関係金融機関などに協力を求めた。建築確認検査手続きを巡り、ヒューザーが自治体を相手取って提訴した国賠訴訟やイーホームズに対する損賠賠償請求訴訟を受け継ぐ方針を明らかにした。
「<耐震偽造>ヒューザー管財人が自治体提訴の継承方針示す」毎日新聞2006年4月26日
「「賠償果たし国民負担を軽減」=ヒューザー破産管財人が報告−都内で債権者説明会」時事通信2006年4月26日
この日東京地裁で第1回口頭弁論が開かれた14自治体相手の訴訟については、「自治体は偽装を長期間見過ごすなど機能まひを起こしており、責任を問われるのは当然」と述べた(「「住民は自ら訴訟を」と助言=ヒューザー管財人、日本ERIも提訴」時事通信2006年5月26日)。
ヒューザー破産管財人は、管財人として、自治体と同様に偽装を見逃した民間検査機関「日本ERI」(東京都港区)を相手に、1億円の損害賠償を求める訴訟を同地裁に起こしている(2006年5月25日)。
件数が少なかった東日本住宅評価センターとビューローベリタスジャパンには業務改善計画の提出を命じた(「<耐震偽造>イーホームズなど4民間機関を処分 国交省」毎日新聞2006年5月29日)。他に2機関も姉歯被告の改ざんを各1件ずつ見逃したが、「偽造の手口が巧妙だった」として処分はせず、改善措置の報告を求めた。
イーホームズは、姉歯被告が改ざんした構造計算書98件のうち最多の37件を見逃した。国交省はこのうち26件を「設計の構造部分を見ていないなど重大な過失があった。最初に偽造を通報したことを考慮しても、取り消しは免れない」と判断した(長谷川豊「耐震偽造 イーホームズなど4民間機関を処分 国交省」毎日新聞2006年5月30日)。指定取り消しは、1999年に確認業務を民間に開放して以来初めて(「イー社の指定を取り消し 耐震偽装見過ごしで」共同通信2006年5月29日)。
日本ERIは、姉歯被告の15件の偽造構造計算書を見逃し、うち4件を「過失があった」とされた。国交省は6月13日から、500平方メートル以上の建物の確認検査業務停止を命じた。同社は2002年にも、資格を持っていない社員が建築確認を行っていたとして業務停止1カ月の処分を受けている。
国交省によると、2件は破産したヒューザーの前身「ハウジングセンター」が建設した足立区の「グランドステージ王子」(7階建て、32戸)と、練馬区の「ロセット江古田」(5階建て、23戸)。建築確認はそれぞれ2000年6月、03年5月。当初の調査で「震度6強〜7程度の地震で倒壊しない」とされたが、詳しく調べたところ強度不足が判明した。震度5強の地震で損傷する恐れがあるため、補強工事が必要という。
「マンション2件で強度不足 都内、姉歯被告の偽装物件」共同通信2006年12月6日 種市房子「<耐震偽造>姉歯物件、新たに2マンションで「要改修」」毎日新聞2006年12月6日 「マンション2件で強度不足 都内、姉歯被告の偽装物件」東京新聞2006年12月6日 「耐震強度不足、新たに3件 姉歯物件など」朝日新聞2006年12月7日
夏の甲子園で優勝した早稲田実業高の斎藤佑樹投手の青いハンカチから「全国青覇(ぜんこくせいは)」。プロ野球で44年ぶりの日本一になった日本ハムの新庄剛志選手にちなんだ「新庄望大(しんじょうぼうだい)」が選ばれた。トリノ五輪で金メダルを獲得した荒川静香選手のイナバウアーは大盤振る舞いをもじった「銀盤反舞(ぎんばんそるまい)」で表した。
冥王星が惑星から外された「除冥処分(じょめいしょぶん)」も選ばれた。7772の応募作品を歌人の俵万智さんが審査した(「<創作四字熟語>住人怒色で始まり…全国青覇…除冥処分も」毎日新聞2006年12月14日)。
国交委は20日午後1時から理事会を開き、警察庁幹部を呼んで偽証があったかどうか説明を聞く(「姉歯被告の偽証の有無、あす協議…衆院国交委」読売新聞2006年6月19日)。翌21日の委員会で、正式に議院証言法違反(偽証)容疑で刑事告発することを議決する見通しである(「<耐震偽装>証人喚問で偽証、姉歯被告告発へ 衆院委」毎日新聞2006年6月19日)。
姉歯被告は2005年12月の国交委証人喚問で、偽装の動機を「木村建設側から鉄筋を減らせというプレッシャーがあった」と証言。しかし警視庁などの合同捜査本部の調べに対し「うそだった。仕事を多く受注して金が欲しかった」と供述した。
また最初の偽装物件に関しても証人喚問では「1998年頃。東京都大田区のマンション」と述べたが、その後の調べに「97年5月に建築確認が下りた東京都中央区のマンションでも構造計算書を偽造した」と認めた。
合同捜査本部は既に衆院事務局から証人喚問の議事録の提出を受けている。国会証人喚問での証言をめぐっては2002年9月、衆院予算委が鈴木宗男衆院議員を偽証容疑で告発した例がある(「姉歯被告を偽証で告発へ 衆院国交委、21日に」中国新聞2006年6月19日)。
姉歯被告の自宅を訪問したのは被告が手がけたグランドステージ東向島の元住民で対策委員会の代表・田中拓さん。何度も呼び鈴を押したが反応はなし。エアコンの室外機は稼働している。居留守であることは明らかだった。玄関前のゴミ袋にはビール缶が約30個詰められ放置されていた。「飲み会…。信じられない」と田中さんは絶句した。
それでも田中さんは、家の中でひっそり息を潜める姉歯被告に向け反撃を開始。「彼にはこれをプレゼントします」と言うと、持参した紙袋から黄色のヘルメットを取り出した。後頭部には「GS東向島解体工事 姉歯秀次」。大手百貨店で自費で購入したという。「解体工事ならできるはず。建て替えも? それは嫌です。無理です。彼には不可能です」。住民達の抗議文も添えると、足早に立ち去った。
クリスマスイブの、この日、周囲の家の玄関先はもみの木にきらびやかな照明が飾られていた。だが姉歯被告の玄関先は黄色のヘルメットが虚しく悲しく光を放っていただけだった(「姉歯被告へ…Xマスプレゼントはヘルメット」スポーツ報知2006年12月25日)。
また、姉歯被告の名義を借りて、一級建築士でなければできないビルの設計を行ったとして建築士法違反の罪に問われた建築デザイナー・秋葉三喜雄被告(46)には懲役1年2月、執行猶予3年(求刑・1年2月)を言い渡した。
川口政明裁判長は、被害者の心情にも言及し、断罪した。「耐震強度という生命や身体安全にかかわる事項について、最低水準を満たさない建物が意図的に作出され、国民に与えた衝撃は大きい。自己の利得を図る目的で職責に背き、極めて厳しい非難を免れない。住むこともできないマンションのローンを負い続ける被害者の厳しい処罰感情も見過ごせない」。
国会での偽証も「自分の責任回避のために、他者を名指しして犠牲者を演じた犯行は巧妙で極めて悪質。偽証で市場原理の前に屈した犠牲者を演じ、責任転嫁を図った。刑事責任は重く、矯正施設で犯した罪の重さへの認識を深め、贖罪に努める責任がある」と非難した。
検察側は論告で「内容が虚偽の構造計算書を乱造して、危険な建物を次々と建てさせた前代未聞の事件。さらに国会の証人喚問で最初に偽装した建物を偽証し、危険な状態を放置した」として実刑を求めていた。姉歯被告は9月6日の初公判で起訴事実を認め、情状面だけが争点となった。
判決等によると、姉歯被告は2003年2月から05年2月までの2年間に、神奈川県藤沢市の「グランドステージ藤沢」らマンション4棟とホテル2棟の計6物件で構造計算書を偽造し、強度不足の建物を完成させた(建築基準法違反)。05年12月に衆院国土交通委員会の証人喚問で、偽装を始めた動機や時期について嘘の証言をした(議院証言法違反)。03〜04年にはマンション設計を受注した秋葉被告に1級建築士の名義を貸した(建築士法違反ほう助)。
「前例のない犯罪で、検察側の求刑通りの実刑である。構造計算書の偽造を繰り返し、多くの人命を危険にさらした責任は重い。当然の報い、と受け止める人が多いだろう」(「耐震偽装判決 安全軽視の責任は重い」信濃毎日新聞2006年12月27日)。
「判決は建築検査について「個々の建築士が責任を負う」とし、建築行政の責任には触れなかった。やはり、そこまで踏み込むべきではなかったか」(「姉歯元建築士実刑 再発を許してはならない」徳島新聞2006年12月27日)。
「姉歯被告に懲役5年=構造計算書改ざん、偽証−耐震強度偽装・東京地裁」時事通信2006年12月26日 「耐震強度偽装の姉歯被告、求刑通り懲役5年実刑」読売新聞2006年12月26日 「<耐震偽造判決>姉歯被告に懲役5年 東京地裁」毎日新聞2006年12月26日 「姉歯被告に懲役5年の実刑判決 耐震偽装事件で東京地裁」朝日新聞2006年12月26日 「姉歯被告に懲役5年」中日新聞2006年12月26日 「姉歯被告に懲役5年の実刑」熊本日日新聞2006年12月26日
強度不足の物件のうち1件は耐震基準の50%前後の恐れがある。50%前後の疑いのある物件は行政が建築確認を下ろしたもので、構造計算書のデータを図面に移し替える際の転記ミスなどがあった。強度50%を切ると震度5強程度の地震で倒壊の恐れがあり、建て替えの目安となる。他の14件にも同様のミスや不自然な計算方法が見つかった。
調査は、耐震強度偽装事件を受けて2006年2月から開始。01〜05年頃に全国で建築確認を受けた10階建て程度のマンション(推計約7000棟)から無作為抽出した389棟を対象とする。01年は建築基準法改正で構造計算の自由度が高まった年である。同省外郭団体の日本建築防災協会で構造計算を再計算したうえ、非破壊検査で鉄筋の配置を調べたりコンクリートの強さを測ったりした。168棟は未だ調査中である。
同省は15棟の建物名や所在地を明らかにしておらず、住民にも強度不足の可能性を知らせていない。「正式確定後、通知する」としている。国交省は15件の建物を所管する地方自治体に連絡、設計者から聞き取り調査を行うよう指示した。また、強度不足が確定した場合、設計した建築士らを処分する方針。新たな強度不足の疑いが浮上したことについて、国交省は「疑問のある設計がなされ、建築確認されたことは遺憾。確定後、厳正に対処したい」としている。
「<国交省>全国マンションサンプル調査 15棟で強度不足」毎日新聞2006年12月28日 「抽出15件で耐震強度不足か…国交省マンション調査」読売新聞2006年12月27日 「新築マンション調査、7パーセントで強度不足か 国交省」朝日新聞2006年12月27日 「マンション、7%に強度不足の疑い・サンプル400棟国交省調査」日本経済新聞2006年12月27日
千代田区は構造計算書偽造事件の影響で、木造を除く全ての分譲・賃貸マンションの耐震診断と耐震改修に助成金を出す制度を、2006年1月に設けた。金額の上限は、分譲の診断については250万円、賃貸については125万円、改修については2175万8000円だ。しかし、06年末までの助成の実績は、診断に対する6件にとどまっているという。
06年12月には国土交通省が、近年に竣工し構造計算書の偽造も認められなかった全国のマンションの7%に耐震性能不足の恐れがあると発表した。千代田区はこの調査結果を踏まえて、マンションの耐震診断・改修の助成制度を改めて周知し、もっと利用してもらうために今回の施策に踏み切った。
新耐震基準のマンションについては構造計算書の再計算と建物の強度の実地調査を求めており、これらの業務の依頼先を日本建築構造技術者協会(JSCA)に限定している(「【行政】千代田区がマンション全棟の耐震性能確認求める、賃貸含む466棟」ケンプラッツ2007年1月11日)。
「建築の信頼回復には国の動きをいち早く先取りする民間の知恵が不可欠」(篠原匠「ファンド、強度チェックで自己防衛」日経ビジネス2006年4月17日号11頁)。
しかし、総研の立件は見送られ、逮捕された9名のうち3名は起訴されず、起訴された6名のうちでも耐震偽装に関わる罪状で起訴されたのはヒューザーの小嶋被告(詐欺罪)、木村建設の木村被告と森下被告(詐欺罪)、元建築士・姉歯被告(建築基準法違反)の4名にとどまった。事件の核心とは無関係な別件で9人も逮捕しておきながらである。
世間を騒がせた事件について、あれほどの大がかりな構図を描き、それに基づいて多くの関係者を別件で逮捕しながら、「本丸で起訴できたのはこれだけでした」というのは問題である。捜査側は見込み違いについて明確に説明すべきである。
捜査当局は耐震強度偽装事件を姉歯秀次元建築士の個人的犯行としたがっているが、それで施工会社(木村建設等)、設計元請け、事業主(ヒューザー等)、総研、検査機関(イーホームズ、日本ERI等)、地方自治体に罪がなかったわけではない。偽装に気付かなかったこと、もしくは薄々気付いていながら、あえて見逃したこと自体が罪である。姉歯被告と同様、無能とモラルの低さ(能率・経済至上主義)に起因する。
「捜査は尻すぼみの感は否めないが、これで幕引きにはできない」(「耐震偽装事件 住まいの安心取り戻せ」信濃毎日新聞2006年6月30日)。
「問題を元一級建築士個人の犯罪で終わらせるわけにはいかない」(「耐震偽装事件/安全・安心の追求はこれからだ」神戸新聞2006年7月2日)。
元一級建築士・姉歯秀次被告、設計元請けのスペースワン建築研究所(清算手続き中)と同社の元一級建築士、施工業者の太平工業(東京都中央区)、川崎市に対し請求する。耐震偽装問題でマンション住民が提訴に踏み切るのは初めてである。
川崎市の調査では、同マンションの耐震強度は基準の30%しかない。住民はマンション建設に不法行為があったと主張し、各被告に賠償を求める。姉歯被告は「故意に耐震強度の劣る構造計算書を作成した」。スペースワン建築研究所は「強度不足の設計図を作成した過失がある」。太平工業は「危険な建物を施工した責任がある」。
川崎市には民間の指定確認検査機関「イーホームズ」が行った建築確認の事務責任があるとする。最高裁が2005年6月に「民間の指定確認検査機関が行った建築確認は、自治体が行ったものとみなす」との決定を出したことから、イーホームズが強度不足を見逃した責任を追及できると判断した。
「<耐震偽造>GS川崎大師の住民が賠償提訴 姉歯被告らに」毎日新聞2006年6月27日 「マンション住民、初の提訴=姉歯容疑者らに7億5000万円−東京地裁」時事通信2006年6月27日 「GS川崎大師住民が提訴 耐震強度偽装で初」共同通信2006年6月27日 「耐震偽装問題、マンション住民が初の損害賠償提訴へ」読売新聞2006年6月24日
グランドステージ川崎大師 工期 : 平成15 年9 月〜平成16 年10 月 構造・規模 : RC造 9 階建 23 戸 工事場所 : 川崎市川崎区中瀬3−21−7 グランドステージ下総中山 施主 : 株式会社ヒューザー 設計・監理 :株式会社スペースワン建築研究所 確認検査機関 : 日本ERI 工期 : 平成14 年4 月〜平成15 年2 月 構造・規模 : RC造 9 階建 23 戸 グランドステージ溝の口 施主 : 株式会社ヒューザー 設計・監理 : 株式会社森田設計事務所 確認検査機関 : イーホームズ 工期 : 平成15 年4 月〜平成16 年2 月 構造・規模 : RC造 7 階建 24 戸 グランドステージ豊田 施主 : 株式会社ヒューザー 設計・監理 : 株式会社森田設計事務所 確認検査機関 : 日本ERI 工期 : 平成14 年9 月〜平成15 年8 月 構造・規模 : RC造 9 階建 49 戸 エクセルダイア南蒲田 施 主 : 東邦ハウジング株式会社 設計・監理 : 株式会社下河辺建築設計事務所 確認検査機関 : 日本ERI株式会社 工期 : 平成14 年7 月〜平成15 年7 月 構造・規模 : RC造 地下1 階 9 階建 32 戸
住民によると、他に訴えるのは、構造計算書を偽造した元建築士の姉歯秀次被告、元請け設計業者のエスエスエー建築都市設計事務所。売主と施工業者のヒューザーと木村建設は破産手続き中で、既に債権の届け出を済ませており、訴えには含めない(「「東向島」の住民も提訴へ 耐震強度偽装マンション」共同通信2006年7月2日)。
トーカイの鴇田勝彦社長は24日、記者会見し、補強工事をした上で、納得しない入居者からは買い取る方針を明らかにした。鴇田社長は「(月岡の説明に)正直言って納得できないところもある。本当に過失なのかどうか。設計事務所には相応の責任をとっていただくことになる」と述べた。1戸が既に退去したという。23日夜に駿河区役所であった同市による説明会では「もう住めない。建て替えるべきだ」「部屋を買い取ってくれ」との意見が相次いだという。
同省は2006年2月から、過去数年間に竣工した全国のマンションのサンプル389件に対して耐震性を調査中で、既に212件の調査を終えている。月岡研究所が構造計算を担当した静岡市内のマンションはこの212件の中の1件で、耐震強度不足が判明した三つ目の物件となった。月岡とサンが一緒に設計した物件は静岡県内に120件以上ある。
確認申請を受けた静岡市は、構造計算書の最終ページ(保有水平耐力比を記載)が抜けた未完成の状態だったことに気付き、完成した計算書の提出を求めたが、月岡彰構造研究所は不足していた最終ページのみを提出していた。しかし、当初未完成のまま提出した部分にミスがあり、その構造図をもとにマンションが建設されたため、建物の横揺れに耐える「あばら筋」が不足するなどの問題が生じたという。
市はこのミスを見逃し、02年5月、建築確認をし、そのまま建設されたという。マンションは03年3月に完成した。 月岡建築士は市に対し「忙しくて、計算途中で提出してしまった。その後、従業員に計算書を差し替えるよう指示したが、的確に伝わらなかった」と説明しているという。
月岡彰建築士(有限会社月岡彰構造研究所)が最終ページが欠けた状態で構造計算書を提出したことに対し、東大大学院の久保哲夫教授(建築学)は市側の説明について、「通常、最後のページが欠けた状態で提出することはあり得ない。構造設計士としての責任を果たしていない」と話す。元請けのサン設計事務所についても「確認を怠った責任がある」との認識を示した。
「販売会社が全戸買い取りも 静岡の強度不足マンション」河北新報2007年4月24日 「静岡のマンション、耐震基準下回る 建築士「忙しくて」」朝日新聞2007年4月24日 「マンション強度不足 耐震基準の68% 」産経新聞2007年4月25日 「耐震強度不足:静岡市のマンション、計算途中の提出が原因」毎日新聞2007年4月24日 「耐震強度不足:月岡研究所、発注元に何も伝えず 設計物件、県内120件以上 /静岡」毎日新聞2007年4月25日 「【トラブル】月岡彰構造研究所が構造設計を手がけたマンションの調査開始、国交省」ケンプラッツ2007年4月25日
国土交通省と横浜市は2006年12月、耐震強度63%と発表したが、住民はできるだけ正確な耐震強度を知ろうと、同月、都市建築事務所に耐震診断を依頼した。同事務所は今川憲英・東京電機大学教授らと協力して診断と現地調査を行い、07年3月に結果を出した。
同事務所代表の浜田幸慶氏によると、各階の全住戸を横断している内壁を市が耐震壁と見なしたのに対し、同氏らは耐震壁とは見なさなかった。さらに現地調査の結果、柱脚部のコンクリートに、木くずの混入や継ぎ目部分の分離などの杜撰な施工不良、問題点が見つかった。
グランドベイ横浜は、ヒューザーが建築主で、1999年11月に同市が建築確認。施工は「東鉄工業」(東京都新宿区)だが、実際は建設業法違反などで摘発された熊本県の「木村建設」(破産)に丸投げされていた。設計は下河辺建築設計事務所(下河辺隆夫)である。鉄筋コンクリート造10階建て、延べ床面積4904m2で、戸数47。2001年に竣工した。
「姉歯物件、市の発表は強度63%・住民調査は50%?」読売新聞2007年5月29日 「【トラブル】横浜の構造計算偽造マンション、強度再検証結果は市算定値よりも7割減」ケンプラッツ2007/06/04
「上場し、全国展開している某有名マンション業者の物件で、耐震不足物件が発見された。ところが、その分譲マンション購入者に金銭を払って揉み消しを図っているというとんでもない情報が飛び込んで来て、一部関係者の間で話題になっている」。
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2007/06/post_a07c.html http://accessjournal.jp/modules/weblog/index.php?date=20070611
リエス曽根田は不動産会社「アトリウム」(東京)が建築主で、間組東北支店が設計・施工し平成17年2月に完成した。構造計算は間組東北支店から下請けした鈴木設計(福島市)の一級建築士・鈴木昌夫氏=17年に死去=が16年に担当した。パソコンで構造計算をする際、1階駐車場東側の壁がない側の強度を割り増しして通常の1・5倍にすべきだったのに、通常値を入力したという。計算ミスのまま設計・施工したため、柱の太さや鉄筋の数が足りず、1階部分の耐震強度が必要耐力の65%程度になった。
計算ミスは元請けの間組東北支店もチェックできず、16年7月に建築確認申請を担当した県の指定確認検査機関「ふくしま建築住宅センター」も見逃した。その後、同センターは全国的な耐震偽装問題を受けて17年に再チェックした際にもミスを発見できなかった。
マンションの屋上に携帯電話基地局設置が計画されたことを受け、間組が2007年3月から6月にかけて改めて構造計算書を確認したところ、計算ミスが発覚。6月11日に間組東北支店が県と市に連絡した。
マンション入居者に対する説明は12日、間組の担当者らが入居者の帰宅を待ってマンションの1階入り口脇の部屋で個別に行われた。新築時から入居している30代の主婦は「まさかここが、という気持ち。ドアにゆがみがあり、開け閉めがしにくいので先日直したばかり。ベランダにも亀裂が入っていたが耐震強度不足だとは思わなかった」と困惑していた。
「マンション耐震強度不足 福島基準の65%、構造計算ミス」福島民報2007年6月13日 「耐震強度不足:マンション入居者、不安や怒りの声 検査機関も見過ごし /福島」毎日新聞2007年6月13日
プレミアレジデンスでは25階から30階の柱計64本に、それぞれ22本必要な鉄筋が20本しかなかった。鉄筋を差し込む鉄板に穴を開ける際に使うテンプレートと呼ばれる道具の穴が、必要な数より少なかった。設計上は1本の柱に22本の鉄筋が必要だが、テンプレートの穴は20しかなかった。鉄筋は、テンプレートを元にして鉄板に穴を開けて差し込む仕組み。穴の数通りの鉄筋が入っていたため、施工段階で不足に気付かなかったとみられる。
鉄筋不足は2007年10月11日、住宅性能表示制度に基づく中間検査で発覚した。工事は30階で中断している。市川市は「清水建設の施工ミスが原因」とする。建設地は千葉県市川市のJR市川駅前再開発地区である。清水建設ら5社が工事を担当。2009年1月の完成を目指し、05年8月に着工した。
「超高層マンションで鉄筋128本不足、清水建設が施工ミス」日本経済新聞2007年11月7日 「超高層マンション鉄筋不足 128本、清水建設ミス」東京新聞2007年11月7日 「鉄筋入れる穴の数が不足 清水建設が是正計画書」中日新聞2007年11月7日
ニチアスが大臣認定を不正取得したのは、▽準耐火構造の軒下部18種類▽耐火構造の間仕切り壁2種類−−の計20種類。01年2月〜05年8月に認定を受けた。不正の手口はいずれも、民間性能評価機関による試験の際、外から見えない内側の材料を水に浸し、燃えにくくしていた。その結果、45分の耐火性が必要な部分で実際には25〜30分、1時間の耐火性が必要な部分では、40〜45分の耐火性しかなかった。
不正は耐火性能などの住宅性能評価が始まった直後の平成13年2月から始まり、17年8月まで恒常的に続いた。当初から担当役員の建材事業本部長も不正を黙認した。2006年10月に内部調査で、不正を把握したが、川島吉一社長ら幹部3人の判断で公表しなかった。10月16日に匿名の告発文が届いたため、翌17日に同省に報告した。
ニチアスから建材を納入している「旭化成ホームズ」(東京都新宿区)は、住宅約4万棟を無償改修すると発表した。対象は「ヘーベルハウス」「ヘーベルメゾン」で、関東、東海、中部、西日本の一部に01年7月以降に建設した住宅。内訳は、引き渡し済み3万8077棟と、工事中の2000棟前後。改修費は総額400億円にのぼる可能性があり、費用をニチアスに請求する方針。他の住宅メーカーも対応を検討している。住宅リフォーム・紛争処理支援センターは31日から、消費者向け相談窓口((電)03・3556・5147)を設置する。
ニチアスが大臣認定を不正取得した製品の認定番号は以下のとおり。 ●住宅用軒裏天井材(準耐火45分、60分) QF045RS-0012 QF045RS-0036 QF045RS-0041 QF045RS-0046 QF045RS-0065 QF060RS-0015 QF060RS-0026 QF060RS-0038 QF060RS-0040 QF060RS-0057 ●住宅用軒裏天井材(準耐火30分) QF030RS-0010 QF030RS-0025 QF030RS-0031 QF030RS-0037 QF030RS-0039 QF030RS-0042 QF030RS-0045 QF030RS-0066 ●乾式耐火間仕切り壁(耐火60分、けい酸カルシウム板+石こうボード) FP060NP-0002 ●乾式耐火間仕切り壁(耐火60分、けい酸カルシウム板+けい酸カルシウム板) FP060NP-0005 「<ニチアス>建材の防火性能偽り出荷 耐火性不足10万棟」毎日新聞2007年10月31日 「断熱材に水含ませ耐火性能試験クリア ニチアス」産経新聞2007年10月31日
10月31日に社内調査で不正取得が判明した。社内調査は、ニチアスが30日に発表した大臣認定の不正取得を受けたものだった。30日のニチアスによる公表に続き、2件目の不正取得が発覚したことで、大臣認定制度の信頼性が根底から揺らいでいる。
不正取得があった材料や製品は、主に食品加工工場や業務用冷凍冷蔵倉庫、ドラッグストアなどの店舗で、天井や間仕切り壁に使用されている。「トーヨーイソパネルNC」と「トーヨーイソパネルNZ」(いずれも準不燃材料)、「トーヨーイソパネル」(不燃材料)の3材料、および、「トーヨーイソクリップN」(防火構造)、「トーヨーイソクリップNY」と「トーヨーイソテクニカNY」(いずれも準耐火構造)の3製品だ。燃焼を抑えるための薬剤混入や、難燃剤の増量といった手口で不正に性能評価試験を受験し、計6件で認定を取得した。性能評価機関はすべて日本建築総合試験所だった(「東洋ゴム工業が硬質ウレタン製断熱パネルで大臣認定を不正取得」ケンプラッツ2007/11/05)。
耐震設計を担当した日立製作所の子会社が1996年に気付いたが、日本原燃や日立に報告していなかった。計算結果の確認をした際にミスに気付いたが、最近まで上司にも言わず10年以上にわたって隠ぺいしていた。経済産業省原子力安全・保安院は日本原燃に対し、原因究明と再発防止策を指示した。
「耐震計算ミス、11年間報告せず=日立子会社、再処理工場の装置で−日本原燃」時事通信2007年4月19日 「<核燃再処理工場>耐震強度に計算ミス、担当者が隠ぺい」毎日新聞2007年4月18日 「本格操業、遅れる可能性=耐震計算ミスで再処理工場−報告書を提出・日本原燃」時事通信2007年5月11日
7号機の主排気筒では、ヨウ素などの放射性物質が検出された。地震の影響で何らかの機器や設備が破損した可能性がある。東電は地震後、全原子炉について、主排気筒の排気サンプリング装置の試料を分析。その結果、7号機では、放射性のヨウ素、クロム、コバルトが検出された。これら放射性物質は主に原子炉の冷却水に含まれる。
漏れた水の量は、約0.6リットル(3階、放射能量は約2.8×102ベクレル)、約0.9リットル(中3階、放射能量は約1.6×104ベクレル)であった。漏えい水は放水口を経由して海に放出された。放出された水の量は約1.2m3で、放射能量は約6×104ベクレルと推定している。
東京電力は2007年7月18日、新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原発6号機から海に放出された放射能量の推定値について、これまでの約6万ベクレルから約9万ベクレルに訂正し、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。保安院は同社に厳重注意した。東京電力がデータを故意に操作したのではないかという疑惑が浮上している。
東京電力株式会社「柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて」平成19年7月16日 「経産相、柏崎刈羽原発の被災報告遅れで東電に厳重注意」2007年7月16日読売新聞 「柏崎刈羽原発、全7基でトラブル50件…地震対策見直しへ」読売新聞2007年7月18日
構造計算書偽造事件によって大地震並みの難民が発生しつつある。何の過失もない幸せに暮らしていた家族が、路頭に迷うかもしれない局面に立たされている。住民は難民と化し、ローンをかかえたまま二重債務状態になって人生破綻の危機にある。仮住まい家賃とローンの二重負担、建替えとなると二重ローンに苦しむことになる。
耐震性に不安があることが判明した各地のマンション住民には、不安の声が広がった(「<構造計算書偽造>住民に広がる不安 ホテルは営業中止」毎日新聞2005年11月18日)。寝耳に水の住民は、ぞっとしたことだろう。住民が何時起きるとも知れない地震への恐怖に生きた心地がしないことは想像に難くない。
「何十年ものローンを組むなどしてマイホームを購入した住民らの怒りと不安は察するに余りある」(「耐震強度偽造 許されない背信行為だ」徳島新聞2005年11月11日)。
「不安と怒りは頂点に達しているだろうが、それ以前に信じられないという気持ちでいっぱいに違いない」(「国原譜」奈良新聞2005年11月25日)。
「偽装マンションを買った人は引っ越し、新たな借金、心労の三重苦に直面している」(「小社会」高知新聞2006年1月18日)。
「見かけは立派なマンション、ホテル。しかし、中の鉄骨などはか細いもの。強い地震でビル倒壊の危険をはらむ。マンション購入に大枚払った住民はたまったものではない」(「天地人」東奥日報2005年11月23日)。
東京都墨田区の11階建てマンションの一室を2005年1月に約4千万円で購入した住民は「半端じゃない大借金、多額のローンを抱えて・・・・・・悔しい」と怒る(「ローン抱え「悔しい」」朝日新聞2005年11月19日)。
都内下町の偽装マンション住民は「怖くて眠れない。家族を想うと仕事も手につかない。なのに、姉歯やヒューザーたちは“安全な場所”でぐっすり眠っているかと思うと、正直腹立たしい」と嘆く(「「やっぱり安過ぎたかも」居住者500世帯がローン難民に」週刊文春2005年12月1日号30頁)。
偽装物件の一つ「グランドステージ住吉」の八住庸平・管理組合理事長は「検査機関の確認が、存在意義もないほどずさんだったと、がく然とした」と話す(「耐震偽造 証人喚問見た住民は「無責任」「真相隠してる」」毎日新聞2005年12月15日)。
グランドステージ千歳烏山の男性は、いつ地震が来るか怯える現状から「死」を選ぶ。GS池上の男性は、12月22日になってやっと大田区が現地調査を実施した現状を憤り、「遅」を挙げた。「不安のままの年を越すしかなく、ストレスが相当たまっている」といら立つ心境を語った(桐野耕一「<耐震偽造>「激」「慌」「恨」など住民が胸中を1文字で」毎日新聞2005年12月31日)。
居住者は不安をぬぐえないでいる。被害者は相変わらず不安定な状態である。「業者は本当に補償してくれるのか。このまま見捨てられるのではないか」(「危険性は同じなのに」朝日新聞2005年12月30日)。「国と都、建築主ら業者は責任の押し付け合いに終始しているように見える」(「偽装すり減る理事長」朝日新聞2005年12月31日)。
不安を募らす住民からは、業者だけでなく自治体の対応についても「緊迫感がなく、消極的だ」と非難が相次いだ(「倒壊危険マンションで説明 「自治体対応遅い」と非難」共同通信2005年11月20日)。「民間に委託するシステムを作ったのは国であり、国の責任は最も重い」と行政に対する不満や怒りが大きい(「所有会社、住民の退去要請=「命と財産を守って」−耐震計算偽造問題で説明会」時事通信2005年11月20日)。
被害者に対する自治体の対応は区々である。国土交通省は関係自治体に対し、震度5強程度の地震で倒壊の恐れのある分譲マンションの居住者に、転居後の家賃の全額を補助するよう要請している。神奈川県や千葉県は県営住宅の家賃を免除する方針を表明している。
転居先の家賃無料化を打ち出した神奈川県内では転居が進む一方、家賃補助が決まらない東京都内では転居が進んでいない。自治体の対応により、転居の進ちょく状況に格差が出ていることも明らかになった(「強度偽装分譲マンション、85%246戸が転居できず」読売新聞2005年12月14日)。
東京都は、強度不足から転居を求められた分譲マンションの住民への支援策として、公営住宅か民間住宅を問わず、移転先の家賃の3分の2を補助するものの、残りの3分の1については自己負担とすることを決めた(「家賃3分の2補助、強度不足で退去の住民向け…東京都」読売新聞2005年12月16日)。
グランドステージ稲城を抱える東京都稲城市は、イーホームズが出した建築確認は都が指導しており、市は偽装問題に責任を負う立場にないと主張する(「稲城市、支援に難色」朝日新聞2006年1月1日)。
北側一雄国土交通相は6日の閣議後の記者会見(2006年1月6日)で、耐震強度偽装で建て替えが必要なマンション住民への支援策に東京都などが難色を示していることについて「万が一、大きな地震があったときは行政の責任を問われるので理解してほしい」と述べた。改めて関係自治体に協力を求めた(「自治体に協力求める 耐震偽装支援策で国交相」共同通信2006年1月6日)。
違法マンションを建てた建築主に損害賠償請求できるのは、買い主である住民だが、住民の同意で譲渡が可能となる。引っ越し代金などは本来、建築主が住民に支払うべきだが、早急な退去が必要として政府は2004年12月、国と自治体が解体、建て替えなども含め肩代わりする支援策を決めた(「住民の賠償請求権を活用 偽装マンションで国交省」共同通信2006年1月5日)。
請求権が行政側に譲渡されれば建築主に対する損害賠償訴訟を「買い主(住民)、自治体、国の三者が共同ですることもあり得る」とする(佐藤信秋事務次官)。訴訟の住民負担を軽減するメリットもある。しかし、東京都は「債権が十分に回収できない可能性がある」と反対した(「建築主への損賠請求権…都、譲り受け案に反対」読売新聞2006年1月5日)。
金融機関の負担を求める指摘に対し、北側国交相は「法律的には難しい」としながらも、「住民(生活)の安定確保の観点から必要に応じ検討したい」との姿勢を明らかにした(「姉歯氏以外も厳正処分 銀行の負担検討と国交相」共同通信2005年12月21日)。
金融庁は民間金融機関に返済の繰り延べ等の相談に応じるよう要請している。衆院国土交通委員会で日森文尋議員の質問に金融庁の佐藤隆文監督局長が答えた(「偽装分譲マンション住民 民間ローン65億円」朝日新聞夕刊2005年12月21日)。
「公費投入だけでなく、金融機関や不動産業界などに、責任にみあった負担や協力を求めるべきです」(榛田敦行「被害者救済などのために」マンションだより2005年4・5月号、日本共産党・東ひろたか事務所)。
マンション業者の責任で賠償するのが筋である。しかしマンション業者が倒産した場合は賠償できず、被害者は救済されない。この場合は業界全体で負担するという考えには一定の筋が通る。但し業界を一足飛びにして経済界全体に拠出を求めることは無理がある。不動産業界と無縁の企業が負担することになるからである。ニューエコノミーが日本の悪癖ともいうべき旧態依然たるオールドエコノミーの尻拭いをさせられることになる。これは正義公平に反する。基金拠出を求めるならば不動産業界、建設業界、住宅ローンを扱う銀行等に限るべきである。
希望する住宅の抽選に漏れた住民は年の瀬も迫り、「退去を迫られても行き場がない」と困っている(「<耐震偽造>「環境変えず余生を」条件かなう転居先少なく」毎日新聞2005年12月15日)。
「コンアルマーディオ横濱鶴見」管理組合役員は「一番悲惨なのは住民が出て行って、マンションを取り壊したあと、建て直しのめどがたたずに、それで終わりになってしまうことです」(「耐震偽装 被害者の年の瀬」朝日新聞2005年12月17日)。
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